ブロードウェイ ミュージック シアター2階に置かれた、たっぷりとした貫禄のある赤。
セレブリティが歩くレッドカーペットだけでなく劇場カーペットや座席に使われる事が多い赤。
ロンドンで劇場巡りをしていた頃の話。劇場常連(ロンドンでは同じ演目を何年も続けて同じ劇場で行われる事が多いためか演目以上に劇場そのものが好きだという人々が存在する)と思わしき老婦人と談話する機会に恵まれた。その際に、私たち観客側が目にする装飾で赤が多く使われるのはなぜかという話をした。「敬意や歓迎」加えて「Theatreの精が人間たちの情熱を引き出すため」という結論に至った事を覚えてる。
この赤い革ソファは一対となって大きな絵画の下に配置されている。
この絵が示すのはアメリカ大陸へ上陸した航海大国の人間が原住民との交渉を行っている様子だろうか。歴史的瞬間である。アメリカンウォーターフロントに位置するこの劇場の成り立ちまでの時の流れのなかで確かにこの絵の瞬間があり、こうして芸術を楽しむ時間が与えられたのだと思われる。
長々語るのも、ただただこのソファが好きなんですといいたいだけのこと。あ、最後にひとつ。劇場内で演目が繰り広げられてる間に、このソファに腰かけて時間を過ごすのもなかなか楽しいですよ、とだけ。